ぶ7
「深〜山君」
声をかけられたので面倒臭そうに後ろを向く。
「何か用か、小川」
「今日はお弁当持って来てないの?」
後ろに手を組みながら何も上がってない自分の机を見て彼女は話し続ける。
「ああ。今日は遅刻寸前だったからな。弁当作ってくる暇無かったんだよ」
朝の出来事を思い出しながら答えていたが、
「おうっ!どしたっ、緋影っ!」
唐突に勢いよく背中をばちんっ!と叩かれた。
同時に小川の表情が硬いものになる。
「……何しやがる、大竹」
呪詛の呟きを洩らしながら後方の人物を顧みる。
がっちりとした、筋肉質で骨太な体格。背は自分よりも高く、ゆうに180はある。頭髪は茶色がかっているが、本人曰く地毛だそうだ。かっこいい、という顔立ちではないが、見事な体格も手伝って彼のごつごつした顔立ちは精悍なものに見えなくもない。
「はっはっはっは!甘いぜっ!そんなことではこの弱肉給食の世界を勝ち抜けないぜ!」
びしっ!と一指し指を自分に向ける。
「それを言うなら弱肉強食だろ。俺は忙しいんだ。またな」
手をひらひらとだらしなく振り、席を立つ。今日は大竹に構っている暇はない。
すると小川はどう言う訳か落胆したように溜息を吐き出した。