ぶり2
「うわあああっ!」
気付くと、少年、いや、青年は叫びながら飛び起きていた。額には尋常ではない量の汗が浮かんでおり、表情の青さときたら死人のようだ。
「……あの夢か……くそっ!」
悪態をつきながら眠りから覚めぬ体を動かし、眼鏡をかけ、時計に目を向ける。
青年の体は一見して細身である。が、彼の全身は良く鍛えられており、ほどよく筋肉がついている。顔つきは全体的に整っているが鋭すぎる目つきと眼鏡が彼の容貌を幾分か損ねていた。
「げっ!もう八時かっ!」
ここから彼が通う高校へは三十分はかかる。八時半までに登校しないと遅刻。今日は教師が校門に立って遅刻者をチェックしている。
「まずいっ!こうしちゃいられんっ!」
彼は急いでベッドから飛び下り、制服に着替えて一人暮らしのアパートを飛び出た。