ぶりらぶ
赤い、赤い光。
目を刺す様な夕日が作り出しているのは三つの影。
一つは年端もいかぬ幼い少年。
彼はぺたりと地面に座り込んでいる。
まるで世界が止まったかのように。
……呆然と……虚ろな瞳をもう一つの影に向ける……
足元には強風で落ちた紅葉。それを朱に染めているは深紅の水。
少年は落葉に包まれているものが、自分の母と理解するのにしばらくかかった。
なぜなら……彼女の肉体は細切れにされていたから……
……ばらばらにされた切断面からは、トマトを潰したような真っ赤な液体が絶え間なく流れている……
少年にはわからない。
母親の身に何が起こったのかを。
少年にはわからない。
一体何をすればいいのかを。
心を空虚なものが埋めていく。
しかし、かろうじて残っていた意思で少年は新たな状況の把握をしようとした。
……なぜ、自分が『お父さん』と呼ぶ人間が血に染まったナイフを持ち、こちらに歩み寄ってくるのかを……
……どれだけ考えても、少年には、わからなかった……